リンパ系腫瘍
症例報告①
夜間の発熱と寝汗、体重減少を訴えて来院した26歳の女性。B症状が全て出そろう典型的なリンパ系腫瘍の患者さんです。主訴から想起される疾患やどのように問診を進めていくべきか考えてみました。
ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫は、リンパ腫の中でも別格の扱いを受けている非常に重要な疾患です。Hodgkin細胞とReed-Sternberg細胞という細胞が見られることが大きな特徴で、治療としてはABVD療法が用いられています。
リンパ系腫瘍の分類について
リンパ系腫瘍は、まずホジキンリンパ腫かどうか?が重要になってきます。そして非ホジキンリンパ腫はさらに原因細胞がB細胞なのかT・NK細胞なのかで分類されます。Ann Arbor分類も覚えましょう。
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、B細胞が最も分化した形態である形質細胞がクローン性に増殖する疾患です。形質細胞は抗体を産生するので、M血中にM蛋白が多くみられるようになります。過粘稠度症候群についても抑えておきましょう。
原発性マクログロブリン血症
原発性マクログロブリン血症で最も重要なのは、IgM型のM蛋白が産生されるということです。IgMは5量体を形成するがゆえに、血液の粘稠度が著しく上昇します。特に眼症状は重要なので押さえておきましょう。