造血幹細胞

大前提として骨髄に偏在している。これを末梢血に移行させるのがG-CSF大量投与であり、移行してきた造血幹細胞を採取・移植するのが末梢血幹細胞移植である。

幹細胞の名の通り、多分化能と自己複製能を持っている。

骨髄微小環境に大きな影響をうける。

細胞表面抗原として、CD34は臨床上非常に重要である。移植の際は、移植される造血幹細胞数を測定する必要がある。その際には、CD34陽性の細胞数を造血幹細胞数として扱う。

造血部位

造血幹細胞についての話題で非常に重要になるのが、造血がどこで起こっているか?という話題で、CBT、国試の双方で頻出である。

そもそも造血とはなにか。当然、血液が造られるということであるが、血液の細胞は全て造血幹細胞由来である。つまり、造血部位を言い換えると、造血幹細胞がどこにいるか?ということになる。

冒頭でも述べたように、造血幹細胞は骨髄に偏在している。当然、造血部位も骨髄になる。しかし、これはあくまで出生後の話である。生まれる前、すなわち胎児期には話が変わってくる。造血部位は以下のように変遷する。

造血部位の移り変わり

移行するのが胎生何ヶ月のときかとか、そういう細かい話は覚えるのがめんどくさい。絶対に覚えておかなければいけないのは、出生する頃には100%骨髄に移り変わっているということだ。生まれた後は、肝臓や脾臓で造血が起こることは基本的にはない。当然だが、卵黄嚢なんてものはもう存在しない。

ただし、例外がある。それが髄外造血である。病気などで骨髄で血液を作ることができなくなってしまったときには、肝臓や脾臓で造血が起こることがあるそうだ。しかし、あくまで例外的な現象である。原因としては慢性的な貧血や骨髄に発生する悪性腫瘍(例えば白血病とか)が挙げられるらしい。

骨髄微小環境

骨髄細胞 + サイトカイン

造血幹細胞の増殖と生存に関わる。 骨髄内の細胞と、それらから分泌されるサイトカインで構成される。

CD34

造血や血管に関わる組織で発現する膜貫通タンパク質の一種。

T細胞がリンパ節に入るのに必要らしい?

臨床上重要になるのはやはり、造血幹細胞数の測定に用いられているという点だ。

G-CSF

Granulecyte Colony Stimulating Factor。日本語でいうと、顆粒球コロニー刺激因子。なんのこっちゃ。

一つ覚えておくべきなのは、好中球に関わるサイトカインであるということ。

好中球への分化、好中球の機能亢進といった作用を持っている。第110回に赤血球増血に関与していない因子として選択させる問題が出題されている。