急性白血病総論
白血病というのはかなりややこしい病気だと思う。なんせ種類が多い。それに名前も長くてわかりにくい。
白血病の中には本当に色々な疾患が詰め込まれているので、それらの違いにちゃんと目を向けることが大事である。ではそもそも白血病ってなんだろうか。白血病は、白血という名がついている様に白血球の病気で、もっとはっきり言うと、白血球の癌ということになる。じゃあ白血球ってなんだろうか。僕は長年ここの理解が曖昧だったので、白血病にはかなり苦戦させられた。
白血球というのもかなり多くの概念を含んだ言葉である。赤血球は酸素の運搬・白血球は免疫・血小板は止血、というイメージはあると思う。これは間違ってはいないが、もっと詳しく知っておく必要がある。ざっくり言うと、赤血球、血小板以外は全て白血球だ。だから好中球もB細胞もマクロファージも全部、白血球の一種ということになる。
これが白血病をややこしくしている原因で、白血球の癌と言ったときに、原因細胞が好中球なのかT細胞なのか、はたまたB細胞なのかで全然話が変わってくる。さらにここに分化が加わると、意味不明になる。例えば、好中球由来の白血病だとしても、その分化段階によって名前や特徴、治療法が異なる。こんな風にややこしい白血病を理解するためには血液細胞のことをきちんと知って、その血液細胞と対応させる必要がある。
白血病を理解するには次の様な流れで違いに着目していくのが良いのではないだろうか。
- 白血病とそうでない病気の違い
- 急性白血病と慢性白血病の違い
- 急性白血病における骨髄性とリンパ性の違い
- 急性骨髄性白血病の分類