視床下部ホルモンと下垂体前葉ホルモン
プロラクチン
超頻出な下垂体前葉ホルモンである。他の下垂体前葉ホルモンとちょっと違う点がある。普通、下垂体前葉ホルモンは放出を刺激する視床下部ホルモンがセットでついてくる。例えば、GHにはGHRHがいるし、FSH/LHにはGnRHがいる。しかし、PRLとセットになるドパミンは放出を抑制する。視床下部ホルモンであるTRHはPRLの分泌を促進するが、メインではない。
これが視床下部が障害されたときに重要になってくる。視床下部の障害は下垂体前葉ホルモンの分泌を低下させるが、PRLだけは増加する。
ドパミン
超頻出な視床下部ホルモンであり、様々な下垂体前葉ホルモンに影響を及ぼす。PRL、TSH、FSH/LH(ゴナドトロピン)の分泌を抑制し、GHの分泌を促進する。
先端巨大症においてはGHへの作用が反転するというのも頻出。先端巨大症ではドパミンがGHの分泌を抑制する状態になるので、ドパミン作動薬が治療薬になりうる。
影響 | 下垂体前葉ホルモン |
---|---|
促進(+) | GH |
抑制(ー) | PRL、TSH、FSH/LH |
TRHとPRL
TRHというのは視床下部ホルモンであり、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンである。つまりはTSHの上位ホルモンだ。しかしPRLにも影響を及ぼす。その影響は正である。
例えば甲状腺機能低下症について考えよう。この疾患では甲状腺ホルモンが十分分泌されないので、ネガティブフィードバックによりTSHやTRHといった上位ホルモンの分泌は増加する。そうするとPRLにも影響が出てくる。PRLの分泌を刺激するTRHが増加するので高PRL血症をきたすことがありうるのだ。
甲状腺機能低下症は高プロラクチン血症の原因の一つである