膵内分泌腫瘍
殆どが膵臓に発生する。基本的には切除が有効であるが、肝転移などを起こして進行していくこともある。肝転移したら切除で完治というのは厳しい。
対応する膵臓ホルモンの働きをしっかり覚えておけばそんなに難しくない。
ホルモン | 疾患 |
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インスリン | インスリノーマ |
グルカゴン | グルカゴノーマ |
ガストリン | Zollinger Ellison症候群 |
VIP | WDHA症候群 |
インスリノーマとグルカゴノーマは問題ないと思うが、Zollinger Ellison症候群とWDHA症候群は名前が少しややこしいので意識して覚えよう。
ちなみにWDHAというのは症状を表している。Water Diarrheaで水様性下痢、Hypokalemiaは低カリウム血症、Achlohydriaで無酸症。
インスリノーマ
Whilppleの3徴
インスリノーマの特徴的な画像所見。3種類の画像検査にそれぞれ特徴が出てくる。まずは検査の種類から覚えよう。超音波・造影CT・血管造影である。
このうち超音波だけは低エコー、マイナスに出る。造影CT・血管造影においては増強・濃染とプラスに出る。
Zollinger-Ellison症候群
ガストリンの病気。膵臓にできた腫瘍からガストリン作用をもつ物質が大量に分泌される。ガストリンは胃酸分泌を亢進させるホルモンなので、難治性の消化性潰瘍と水様性下痢を繰り返す。胃酸の分泌で下痢になるのなんで?
国内では年間5〜10例と非常にまれらしい。ぞりんがーえりそん。読みにくい。
WDHA症候群
膵臓のホルモンを産生する腫瘍の一種。インスリノーマやグルカゴノーマの仲間。VIPという腸管に関わるホルモンが過剰に分泌される。VIPはガストリンに拮抗するホルモンであり、胃酸分泌を抑制する。
症状は水様性下痢、低カリウム血症、胃無酸症。低カリウム血症は、下痢によってカリウムが排泄されてしまうことによる。Zollinger Ellison症候群でも水様性下痢をきたすので、胃酸が増えても減っても下痢になる?漠然と消化器の不調が下痢につながると覚えてもよいかも。