骨代謝総論
カルシウムとリンに関するホルモン
カルシウムとリンとは骨代謝とイコールである。その骨代謝に関わるホルモンを3つ覚えなくてはならない。
- 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
- 活性化ビタミンD
- カルシトニン
さらにカルシウムとリンに関わる臓器として次の3つを覚えなくてはならない
- 骨
- 腎臓
- 腸管
まずは全体像として各ホルモンが各臓器でどのように作用するかを表にまとめる。具体的な話は追々していくのでまずはさらっと全体像をつかもう。ちなみに以下の式が成り立つ。
骨 | 腎臓 | 腸管 | |
---|---|---|---|
副甲状腺ホルモン | 骨吸収を促進 | Caの再吸収↑ Pの排泄↑ 活性化ビタミンD↑ |
--- |
活性化ビタミンD | 骨吸収↑ 骨形成↑ |
Caの再吸収↑ | Ca、Pの吸収↑ |
カルシトニン | 骨吸収を抑制 | Caの排泄↑(複雑) | --- |
リンの正常値
リンの正常値を覚えておかなくてはならない。
2.5~4.5mg/dLと電解質の中ではかなり低い部類に入る。
カリウムが3.5~5.0mg/dLなのでスケール感としてはそれくらい。
セットでよく出てくるカルシウムは8.8~10.4mg/dLくらいなので、それに比べると少し小さい。
リンの正常値:2.5~4.5mg/dL
FGF23
最近解明されてきた因子で出題でも狙われているような気がするので。Fibroblast Growth Factor23の略。
腫瘍性低リン血症性骨軟化症という病気の原因となっている物質である。骨が脆くなると言われると、まずCaの不足を思い浮かべるだろうが、この病気ではPの低下が骨軟化症につながる。Caは正常~軽度低下にとどまる。腫瘍からFGF23が出てきて低リン血症をきたし、骨軟化症となる疾患。病気の名前そのまんまである。
つまりFGF23はリンを低下させる因子ということになる。腎臓でのP再吸収の抑制やビタミンD産生の抑制により血中のリンを低下させる。カルシウムがあまり影響を受けないということは、ビタミンD産生への影響はそれほど大きくないと推測できる。多分