胆嚢壁の構造
粘膜筋板と粘膜下層が欠如しているというのが大事。粘膜上皮 -> 粘膜固有層の次はもう固有筋層である。
漿膜がない部位も存在し、それが肝床部分である。
胆嚢動脈
右肝動脈から分枝する
胆汁排泄の流れ
コレシストキニン...胆嚢壁を収縮させる、(膵臓に対しては重炭酸イオン↑)
セクレチン...膵内分泌酵素↑
Oddiの括約筋...食物が到達すると弛緩する。
胆嚢壁が収縮し、Oddiの括約筋が弛緩することによってVater乳頭より胆汁が出てくる。
ウロビリノゲン
- 間接ビリルビンが肝細胞へ入る
- グルクロン酸抱合を受けて直接ビリルビンとなる
- 直接ビリルビンが腸管へ排泄
- 腸内細菌の働きで直接ビリルビンがウロビリノゲンとなる
- 便中に排泄or再吸収された後に尿中から排泄
とにかく間接ビリルビンを肝臓が処理して、腸管に胆汁が出てこないとウロビリノゲンは生成されない。
ICG試験
色素は肝臓で処理されて胆汁へと出ていく
胆嚢捻転症
高齢女性に多い疾患で、胆嚢軸捻転による結構障害によって胆嚢壁が細胞壊死に陥る病態である。結石とは関係ない場合が多い。
痩せ型の体型や内臓下垂が原因となるようである。
かなり劇的な経過をたどるため、緊急の胆嚢摘出術が必要になる。
造影CT:動脈相と後期相で胆嚢壁の濃染を認めない -> 虚血を反映している
この疾患では胆嚢が腫大するが、胆嚢穿孔では胆嚢が萎縮するということも鑑別において重要になる。
経皮経肝胆道ドレナージ
名前に注目。皮膚から入れて肝臓を通り胆嚢にアプローチする。
胆嚢と肝臓が癒着している、胆嚢床から胆嚢へカテーテルを挿入する。
急性閉塞性化膿性胆管炎
腹痛、発熱、黄疸がみられる胆管炎の中でも特にやばいやつ
血圧低下や意識障害、白血球の増加などが特徴
## Warm ショック
敗血症性ショックの初期段階では血管拡張が見られ、四肢は暖かくなる
胆嚢炎と胆管炎
急性胆管炎の起因菌
グラム陰性桿菌、嫌気性菌
胆道系炎症の治療
胆嚢炎:胆嚢摘出術
胆管炎:ドレナージ、PTBDかEBD
もちろん胆嚢炎でドレナージを行うこともある(PTGBD)。しかしそれは手術不能例などに対する一時的な治療にしかならない。
ちなみにEBDは2種類存在する。ENBDと胆管ステント留置である。
原発性硬化性胆管炎
肝内外の胆管の狭窄を生じる慢性炎症性疾患 -> ここ大事!同じく炎症性疾患である潰瘍性大腸炎を高率に合併する
進行すると肝硬変に至る。肝移植の適応となることもある。
先天性胆道拡張症
先天的な要因により胆道が拡張する疾患で、総胆管嚢腫とも呼ばれる。ほぼ前例に膵・胆管合流異常を合併している。胆道がんの発生率が高いため、予防的手術を行う。
膵体尾部癌
膵体尾部癌は黄疸が出現するまでに時間がかかるため早期発見が難しく、消化器がんの中でも最も予後不良のがんである。一方、十二指腸乳頭部癌は比較的早期に黄疸が出現するため、早期に診断されやすく予後は比較的良好である。
胆嚢ポリープvs胆嚢結石
胆嚢ポリープや胆嚢癌は胆嚢壁に由来する、そのため胆嚢壁との連続性が特徴といえる。
胆嚢結石はコレステロールやビリルビンが固まってできるのでそうした連続性はみられない。
胆嚢癌
早期には症状が乏しいため、発見時にはすでに進行がんであることが多く予後不良である。 -> 膵癌と同じ理屈
リスク因子:胆嚢結石、膵・胆管合流異常
胆嚢腺筋腫症では癌化はまれだとされている。
胆嚢良性疾患
- 胆嚢腺筋腫症
- 胆嚢ポリープ