門脈圧亢進症
- 肝硬変(類洞性、後類洞性)
- 特発性門脈圧亢進症、日本住血吸虫症(前類洞性)
- Budd-Chiari症候群(肝後性)
- 門脈血栓症(肝前性)
どこの圧力が上昇しているか
腹壁怒張から考える
静脈怒張が生じる部位によって鑑別できる => 門脈vs下大静脈
おへその周り...門脈圧が亢進している。肝硬変とか
側腹部を縦に走る...門脈や肝静脈に原因があるとは考えにくい。下大静脈閉塞がありうる。
静脈圧と閉塞肝静脈圧から考える
=> 門脈のどこが閉塞しているか?
門脈圧(PVP)と閉塞肝静脈圧(WHVP)を測定する。WHVPは類洞の圧力を測定していると思えばよい。
PVPは全ての門脈圧亢進症で上昇するが、WHVPは類洞以前に原因がある場合のみ上昇する。
すなわち肝前性や前類洞性ではWHVPは上昇しない。
補足:肝臓の前後
大静脈側が後ろで、門脈側が前。静脈血は門脈 -> 肝臓 -> 肝静脈 -> 大静脈と流れるから。
e.x. 肝後性疾患であるBudd-Chiari症候群は肝静脈や下大静脈が狭窄することによって生じる
門脈大循環シャント
本来門脈を経由して肝臓へ行くべき血液が直接体循環に入ってしまう病態のこと。門脈圧が非常に高い状態が持続することによって生じる。
肝臓を通らないと2つほど問題がでてくる。
- 必要な栄養素が供給されない
- 不要な物質が分解されない -> 肝性脳症