肝臓の癌
3つある
- 肝細胞癌
- 肝内胆管癌
- 転移性肝癌
このうち肝細胞癌と肝内胆管癌が原発性肝癌に分類される。頻度は肝細胞癌の圧勝。
〜発見
腫瘍マーカー
AFP、PIVKA-IIが上昇する=肝臓の細胞に由来している癌 -> 肝細胞癌
大腸癌の肝転移や肝内胆管癌は腺癌であるためCEAやCA19-9が上昇する。この腫瘍マーカーの違いは結構重要。
慢性肝炎・肝硬変からの発癌を疑う所見
3つ覚えるべき
- AFPやPIVKA-IIの上昇
- エコーやCTの異常
- ALPなど胆道系酵素の上昇
- 腫瘍による胆管の圧迫が原因
〜経過
肝細胞癌の破裂
肝癌は血流に富んだ腫瘍であり、破裂をきたしやすい癌でもある。入院中の肝癌患者が肝癌破裂をきたし10分で死に至ったこともある。肝癌患者の診療で最も劇的に状態が悪化するのは肝癌の腹腔内破裂などによる出血であり、このことを念頭に置いて診療にあたってほしい。
肝細胞癌の転移
まずは肝内転移。肝臓以外の転移しやすい臓器として骨・肺を覚える。
当然胆管・胆嚢にも転移しうる。
肝細胞癌はリンパ節転移が非常にまれ。胆管細胞癌ではよくみられる。
〜治療
治療法の選択
これが結構重要。
ex1 焼灼療法はちっちゃいのしか焼き切れない
ex2 肝機能が悪かったら癌を治しても意味ないので肝移植or緩和療法
- 小さくて少ない -> 焼灼療法
- ちょっと大きいけど少ない -> 塞栓療法
- 4個以上 -> 塞栓療法or化学療法
- 肝機能悪い -> 肝移植か緩和ケア
重要!:肝右葉切除は肝機能に余裕がないと厳しい
TACE
Transcatheter Arterial ChemicalEmbolization
ヨード造影剤を使って血管走行を確認し、肝細胞癌までガイドワイヤーをすすめる。そこで抗がん剤を注入したあと、塞栓する。
=> 血流を塞ぐだけじゃなくて抗がん剤も入れるんやって、知らんかった
禁忌
- 門脈本幹閉塞
- 難治性腹水
- ヨードアレルギーの既往
- ヨード造影剤を使うから
原発性 vs 転移性
- 血管新生
- 原発性では豊富で転移性では乏しい。だから塞栓療法は原発性にしか効果がない
- 画像所見
- 転移性では辺縁の造影がみられる
- 単発or多発
- 原発性では単発が多く、転移性では多発が多い
- 肝硬変の合併
- 原発性では合併あり、というか肝硬変が基礎疾患。転移性では肝疾患の合併は少ない
転移性肝癌の画像所見
原発性にみられないものとして造影CTにおける辺縁の造影がみられる。
ちなみに肝内胆管癌でも似たような所見を示す。
原発性肝癌 vs 転移性肝癌・肝内胆管癌 という構造か。