NERD

内視鏡所見でびらんがそれほど激しくないにも関わらず、症状が強く治療に難渋するような逆流性食道炎も存在する。これは非びらんせい GERD(NERD)と呼ばれる。

食道内の 24 時間 pH モニタリングを行い病態を詳しく調べることになる。

ロサンゼルス分類

逆流性食道炎を内視鏡所見で分類したもの。

注意:内視鏡的な重症度と GERD の症状は必ずしも相関するわけではない。NERD の例もそう。

N・M・A・B・C・Dがある。

N はNormal。内視鏡的には完全に正常だが、この状態でも症状が出現することがある(NERD)。

M はMinimal Change。ちょっと色がかわってるかなーくらい。

A・B・C・D は粘膜障害がひどいほどアルファベットが進む。

Grade D だとほぼ全周性に粘膜障害が見られる。

食道裂孔ヘルニア

胃の噴門部が横隔膜より上に来てしまう。こうなると食道胃接合部の逆流防止機構がうまく働かないので、逆流性食道炎の症状をきたすことが多い。

造影で食道胃接合部や胃噴門部が横隔膜上方に脱出しているのを確認しよう。

呑酸

のどや口のあたりが酸っぱいと感じる。胃の内容物が逆流してくる感覚。

降圧薬と GERD

Ca 拮抗薬や硝酸薬など血管を弛緩させる薬は、消化管の平滑筋も弛緩させるので GERD の増悪因子となる。

アカラシアの病態

  1. Auerbach 神経叢が変性する
  2. 食道平滑筋の弛緩不全と蠕動消失
  3. 食物が食道から胃へ進まなくなる

特発性食道破裂(Boerhaave 症候群)

嘔吐などにより食道内圧が著しく上昇した結果、食道壁全層が断裂する疾患。Malory Weiss 症候群と似たような機序だが、完全に避けてしまっており、激しい痛みがあることが特徴である。

食道破裂の結果、縦隔や胸腔内と交通ができてしまうと皮下気腫や胸水貯留、気胸などをきたす。

呼吸機能に影響が出るのでかなり緊急度の高い疾患である。

日本語の読み方は、江戸時代から「ブールハーフェ」と発音していますが、欧米では英語で「ベアーハーヴ」と発音します。

ルゴール染色

食道がんの診断に用いられる。ヨードを含んでおり、食道粘膜に含まれるグリコーゲンと反応し、黒褐色を呈する。

癌や異形成が起こっている部位ではブドウ糖が著しく消費されており、ヨードとグリコーゲンの反応が起こらず、白色調となる。

アルブミン静注

アルブミンを常駐するのは合成能の低下があるとき。例えば肝障害など。

栄養不足などによりアルブミンが低下している場合は、高カロリー輸液などでよい。

食道気管瘻

進行食道がんにおいて食道と気管が交通してしまう食道気管瘻をきたすことがある。こうなると誤嚥性肺炎によって呼吸器疾患の様相も呈する。放置すれば肺炎を繰り返し重篤化する。

気管切開によって瘻孔部より下方でカフを用いて誤嚥を防ぐ。さらに気管内ステントや頸部食道外瘻増設などを思考することもある。

消化器癌の悪性度

消化器癌の悪性度

##   食道憩室

食道憩室とは、食道の壁がポケット状に外側にふくらんだものをいいます。 食道憩室には、食道の蠕動運動の異常によって食道内圧が高まり、押し出されてふくらんだもの(ツェンカー憩室、横隔膜上憩室)と、食道周囲の組織の炎症や癒着が原因で引っ張られてできるもの(ロキタンスキー憩室)があります。

BRTO

BRTOイメージ

EIS と EVL

EISとEVLのイメージ

図 1 がEIS。IS とはInjection sclerotherapyの略。

図 2 がEVL。VL はvariceal ligationの略。

食道気管瘻

  • 食道がんが究極進行した状態
  • 癌が食道を超えて、気管や気管支に浸潤する
    • 食道には漿膜がない
    • 食道と気管がつながってしまう
      • 気管に唾液が流入し、誤嚥性肺炎となる
      • 造影剤が禁忌となる
  • 治療
    • ステント
    • 化学放射線療法

食道の再建臓器

  • まずは術式が違うことを抑える
  • 通常の食道がん
    • 食道亜全摘
      • 頸部まで再建する必要がる
      • 第一選択は胃
  • 胃食道接合部癌
    • 食道下部切除
      • 空腸が多くなる

声音振盪

  • 肺の音声の伝導を反映する
  • 肺炎などで肺の空気が減少すると伝導が亢進する
  • 胸水が貯留すると減弱する